
d_042385 俺が妹にできること‐
ある日、政府から1枚の赤い封筒が届いた。
俺の妹である雨森綾羽(あめのもり・あやは)を特別交渉官候補生として
迎え入れたいという内容だった。
俺が住んでいる町である奉女町(ほうめちょう)は、これといった観光資源が
ないため、古の時代より人身御供として若い娘を差し出し、そのことで政府に
取り入って、なんとか繁栄を続けてきた町だ。
その悪しき風習は、現代でも‘特別交渉官’という形で残っている。
‘特別交渉官’と言えば聞こえがよく、非常に名誉なことのように思えるが、
実態は諸外国との外交を有利と
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