
b473aeurp00120 帰り道(単話)
都心からはなれた小さな町。
そこにはまだ昔の、あるいは昭和の風景が残っていたりする。
そんなかの地の片隅の、鬱蒼とした竹林にはさまれた小径を、制服まぶしいひとりの少女が歩いている。
少し心細そうな表情をたずさえた彼女は、気まぐれにいつもと違う帰り道を選んでしまったことを後悔しつつ、急にもよおしてきたことも手伝って、見知らぬ場所でトイレをさがす困難に冷や汗をかくのだった。「あれ
トイレ…かな?」雑草と青竹に囲まれた先に、なにやら倉のような建物を見つけた少女は、そちらへと向かうと、そこがトイレでないこと以外なにも分からぬ建物と知るが、下半身はもう限界にきており、少女は建物の死角になる場所からあたりを見渡して、まぁいいやとこの場所で放尿を決意する。
まずはスカートをまくりあげながら、両手の各親指を下着の左右にすべりこませ、いっきにそれを引きおろすと、豊満な白い尻が現れて、またそれを下に向けてしゃがみこむ。
すると、見る側によっては先端とも最奥ともいえる場所から少し突起したような秘部が顔を出し、そこからチョロッと放たれたほとばしりを皮切りに、勢いよく放尿するのだった。
ふ〜…と息をつく少女。
尿溜まりは地面に波をたてて広がって、その波打ち際には、切妻屋根の石祠を小さくしたようなものが鎮座している。
まわりには雑草、ひそむ鈴虫が音色を奏でる。
音色に誘われたかのように風が吹き、風にあおられた竹林が、こすれこすれにざわめきを放つ。
そこに留まっているらしき鴉たちも叫び出した。
荘厳とした夕暮れのただ中で、少女の尿はすでに切れ切れだが、まだ少しだけ音をたてている。
そこに、これまでとは違う作為的な音が放たれた。
異様な気配が少女の後ろを支配する。「誰かいるわけないよね
こんなとこ」少女はしゃがみながら再びあたりを見渡し、顔を正面に戻すと、目の前には、フンドシ姿の屈強な男が笑みを浮かべて仁王立ちをしている。
その日、少女の勘が冴えることはなかった。
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